黄金のラドゥール
もう数日が経っている。

「あり得ん。まさか、娘ひとりに何の痕跡も掴めないなど。」

コウジュン皇子は来客のため部屋を出られている。
「しばらく頼む。」
そう言い残して行かれた。

隣の部屋にはあのハルと名乗った娘がいる。
娘の護衛にここに居るようにとのことだろう。

痕跡も何も全く掴めない娘、
むしろ怪しすぎるではないか。
今は何をしているのか、、

皇子のお傍に怪しい者など
断じて置いてはおけないーー、、


いかん、ついムラムラと苛立ちが沸いてしまう。











ん、 、、?




鋭く目を凝らす。





足音を殺し、扉へ近づき、
取っ手に手を掛けたーーーーー、
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