黄金のラドゥール
この国の皇子である、その地位だけで寄ってくる者など計り知れない。
皇子に近づきたい、ひと夜だけでもと色香や家柄に訴えてくる女も多い。
それゆえ、警戒しないで人と会うことなどなかった。これまでは。
今回のハルを除いては。
もう少しこのままでいたらどうなるだろうか?この赤くなった娘はどうなるだろうか?
こんな気持ちは初めてだった。
ハルの両手を片手で抑え、空いた方の手を彼女の顎の下に添えた。
そっと指を上向かせると、熱を帯びた彼女の顎がほんの少し上を向いた。
小さな声が漏れ、顔を背けようと抵抗されるが、そのままそっと彼女の唇に指先で触れた。
すると、彼女の肩が小さく震え始めた。
皇子に近づきたい、ひと夜だけでもと色香や家柄に訴えてくる女も多い。
それゆえ、警戒しないで人と会うことなどなかった。これまでは。
今回のハルを除いては。
もう少しこのままでいたらどうなるだろうか?この赤くなった娘はどうなるだろうか?
こんな気持ちは初めてだった。
ハルの両手を片手で抑え、空いた方の手を彼女の顎の下に添えた。
そっと指を上向かせると、熱を帯びた彼女の顎がほんの少し上を向いた。
小さな声が漏れ、顔を背けようと抵抗されるが、そのままそっと彼女の唇に指先で触れた。
すると、彼女の肩が小さく震え始めた。