黄金のラドゥール
警戒、そう言う点では、私は今回のハルについてはかなり特別扱いをしている。
『なぜハルには警戒しないのかー、、
それは出会いからして唐突で異例だったから、としか自分でも説明がつかない。あの時、ハルが落ちて来ていなければ、今おそらく自分はここにいなかっただろう。』
コウジュンはひとりソファへと歩き出した。
ハルには、驚かされてばかりだ。
時折、私を皇子とすら思っていないような対応にも驚かされる。
それはハルがこの国の者ではなく、本当に天から来たからだろうか?
煌びやかな衣装に包まれれば、なるほどどこかの国の姫のように美しい。だが、彼女の思っていることは見て取れることと同じだと思われる。感情を隠すことも偽ることもなく、
それでは一国の姫など、ましてやどこかの間者など務められるはずもない。
皇子である私に仕えるでもなく、媚びるでもない。
皇子である私をなんだと思っているのだろう?
皇子である私を?
「急に近くで声がしたから、
それで、驚いてしまって、、」
ハルはフルフルと首を左右に振った。
『近すぎる』と驚いて泣きそうになったり震える女には会ったことがなかった。
抑えようのない笑いが込み上げてきた。
「コウジュン?」
コウジュンは声をあげて笑った。
ハルは何故笑っているのかわからないという顔をしている。
「本当によく似合っている。
皆に見せるのが楽しみでならない。」
「皆?その一緒に行くところのこと?」
「舞踏会ではないがな。」
コウジュンはわざと微笑んで見せた。
「、、?!さっきの、、見てたの?!」
目の前のハルはまた真っ赤になってくちをぱくぱくさせている。
コウジュンは可笑しそうに声をあげて笑った。
守ると心に決めていた。
いつ、どこの誰というわけではなかったが、漠然と。いつか自分が妃を娶る時には、自分は生涯をそのひとりの妃だけに捧げ、守っていくのだと心に決めていた。
もしかすると妄想だったのかもしれない。
不憫な亡き母への。
ーー、、もう少し、傍でこの娘がどんな反応をするのか見ていたいと思った。
『なぜハルには警戒しないのかー、、
それは出会いからして唐突で異例だったから、としか自分でも説明がつかない。あの時、ハルが落ちて来ていなければ、今おそらく自分はここにいなかっただろう。』
コウジュンはひとりソファへと歩き出した。
ハルには、驚かされてばかりだ。
時折、私を皇子とすら思っていないような対応にも驚かされる。
それはハルがこの国の者ではなく、本当に天から来たからだろうか?
煌びやかな衣装に包まれれば、なるほどどこかの国の姫のように美しい。だが、彼女の思っていることは見て取れることと同じだと思われる。感情を隠すことも偽ることもなく、
それでは一国の姫など、ましてやどこかの間者など務められるはずもない。
皇子である私に仕えるでもなく、媚びるでもない。
皇子である私をなんだと思っているのだろう?
皇子である私を?
「急に近くで声がしたから、
それで、驚いてしまって、、」
ハルはフルフルと首を左右に振った。
『近すぎる』と驚いて泣きそうになったり震える女には会ったことがなかった。
抑えようのない笑いが込み上げてきた。
「コウジュン?」
コウジュンは声をあげて笑った。
ハルは何故笑っているのかわからないという顔をしている。
「本当によく似合っている。
皆に見せるのが楽しみでならない。」
「皆?その一緒に行くところのこと?」
「舞踏会ではないがな。」
コウジュンはわざと微笑んで見せた。
「、、?!さっきの、、見てたの?!」
目の前のハルはまた真っ赤になってくちをぱくぱくさせている。
コウジュンは可笑しそうに声をあげて笑った。
守ると心に決めていた。
いつ、どこの誰というわけではなかったが、漠然と。いつか自分が妃を娶る時には、自分は生涯をそのひとりの妃だけに捧げ、守っていくのだと心に決めていた。
もしかすると妄想だったのかもしれない。
不憫な亡き母への。
ーー、、もう少し、傍でこの娘がどんな反応をするのか見ていたいと思った。