黄金のラドゥール
「国王陛下にご承認を頂けない場合、
それはつまり陛下がハル様の存在を認めないということになるでしょう。そんなことになれば、あなたを庇ったとして皇子も処罰されるかもしれません。
国王陛下を謀るのは重罪ですからね。」

「謀る?重罪??」

「はい、皇子は酷くても辺境へ左遷程度かと思いますが。あなたはまず極刑は避けられないでしょうね。」

「きょ、、極刑?それって、、」

アユールを見ても彼女も何も言わない。
ユンハなんて冷たい目でこっちを見てるし、ガインは頷いただけでそれが答えだと言わんばかり。


ハルは両手をそっと握り合わせた。
その手を横から伸びて来た手にぎゅっと掴まれる。

「どうしても認めてもらわねばならない。
他に選択肢などありはしない。」
この青い瞳はいつも私をまっすぐ見つめてくる。


「私と行ってくれるね?」

おだやかだが否と言わせぬ力を含んだ声が向けられた。


「私が守ろう、私のラドゥール。」


「コウジュンは

どうしてそこまで私を守ろうとしてくれるの?」

「言ったはずだ、それはーー」

「最初からそうだった。

初めて見た人なのに、どうしてーー、

それで何かを、得られるの?」


少しの沈黙。


「ごめんなさい、私、混乱してる、、
だけど、、重罪、極刑、、でも、コウジュンは私を守ることで何か得なことがあるの?だからなの?なんだかよくわからなくて、信じていいのか、、」
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