黄金のラドゥール
見上げる薄茶の瞳が揺れながら話すのを、コウジュンはじっと見つめていた。

「私はおまえを利用しようとしている。」

瞬間、放たれた耳を疑うような言葉。

「皇子様、何を、、っ」
ユンハとガインは驚いて目を見開いている。
ハルも同様だった。

「私はラドゥールとして降りてきたおまえを利用している。

今回の横柄な婚姻から逃れようとしている。私はおまえが降りて来なければおそらく、今回の婚姻で辺境の地へとばされるような相手を伝えられていただろう。私を失脚させようとする者の企みによって。

だからおまえも私を利用して、生き延びよ。」

「だから、私が何者でも守るって、、」

「お互いが生き延びるためだ。」

真正面から告げられた彼の言葉はズドンと胸を突いた。


「最初から、それで、、」


ハルの頬を熱い涙が伝った。
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