黄金のラドゥール
「誰か、助け、、っ、、!、、」


再びばしゃばしゃと水しぶきが上がった。

「助けて、、っ!!」

その声にコウジュンは突き動かされる。



「その者は、私のラドゥールである!

私は今、天からラドゥールを賜った!」

コウジュンの声が響いた。

どよめきが広がった。


湖の縁で見守っていたユンハは大きく応えると、皇子の命を受け湖へ足を踏み入れた。


王族、大臣らが大勢見守るなか、
コウジュンは厚いマントを翻し颯爽と水鏡の淵へ駆けつけた。


神官長はガエンザ大臣の侍従に詰め寄られ、顔を青くしている。
神官長がコウジュンに何か声を掛けようとしたがコウジュンはそれを制した。
それは神官の中でも皇太子リジュンの息のかかった神官だったからだ。
ーーーやはり皇太子は今夜の儀式でこの神官長に何か策を託していたようだ。
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