黄金のラドゥール
それぞれの望み
「、、ちょっと待って。

やはりって?

わかってたって、、こと?」
なんだかむむむと気持ちがこみ上げてきた。

「正妃として認めてもらえなきゃ、
他に選択肢はないって言ってたのに?
みんなこの結果を予想してたってこと?」

声が大きくなってしまう。

信じてもらえてないとか、疑われてるとか、
あれだけ泣いて、やるしかないって思えたのに、なんで?なんで私だけカヤの外なの?


「ハルは顔に出やすい。
だから知らないでいたほうがいいと私が判断した。」

「それは、、確かに、、そうかも、、
だけど!」

「謁見してみなければ、国王が認めるかどうか、ある意味賭けだったのだよ。
結果、現状ではまだ難しいということだ。」

「だけど、王さまの決断があとでひっくり返るなんてこと、あるの?」

あの眉間に深い皺を刻んでいた国王の決断、ひっくり返すなんてことあるんだろうか?

ハルの眉根が寄せられる。

「おまえの考えがどれほど筒抜けかわかっているか?」

コウジュンはハルの手を握った。
「私は必ず、ハルを正妃にする。」

ハルはそのまっすぐな眼差しに戸惑いを隠せない。

コウジュンのそのまっすぐな眼差しはつまり、必ず生き延びる、という決意の表れなんだろうけれど、、

この人には自分の状況が救いになっているだけで、私自身を見て言ってくれているのではないと思うと、ハルは複雑だった。

落ちてきたのがたまたま自分だったから、救いになっているのはお互い様なのだから、と自分に言いきかせる。

ハルは握られた手をそっと引き抜いた。
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