黄金のラドゥール
「でも、どうしてそこまで正妃にこだわるの?側室って言ってたけどそれじゃだめなの?なぜ他国のお姫様ではいけないの?」

「私の正妃では不満か?」

ハルは小さく息を吐いた。
髪が降り掛かってその表情を隠してしまう。

「ハル様、」
ガインが声をかけた。しかしコウジュンが止めた。

「私は、、帰りたい。」







「本当は、、帰りたい。

帰れるのなら、すぐにでも。」


「それが望みか?」

コウジュンはハルの顎を上げさせた。

「帰ったら、全部思い出すと思うの。」


ハルの瞳がコウジュンを見つめ返す。
薄茶の瞳は予想外に凛としていた。


『泣いているかと思えば、、

この娘にはいつも驚かされる。
それにしてもーー、、』

コウジュンはフッと笑った。

「私の正妃におさまらず帰りたいとは、」
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