黄金のラドゥール
コウジュンは自らも湖に踏み込んだ。

ユンハが引き上げてきた女を
自分の腕に受け止める。

露わになっている女の肩が冷たい。
衣服がこの国のものとは全く違っている。
踊り子にも見えない。
この夜の寒さの中、この露出の多さに疑問がわく。

受け止めた女の身体がどんどん冷たくなっていくようだった。
肩から羽織ったマントに手をかける。


だがーーー、、ふと、その手がとまった。


月の光を受け、まぶしいほど白く滑らかな肌、そして見たこともない衣服。

今はむしろ、好都合ではないだろうかー、、


周囲の目が見守る中、
コウジュンは女を横抱きにした腕を高く掲げた。




ずぶ濡れの女からしたたり落ちる雫も、月光を浴び、きらきらと輝くように見える。


皆の視線がコウジュンとその腕に抱かれた女に注がれている。
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