黄金のラドゥール
「空から落ちてきたのは、いいの?」

高鳴り始めた胸を抑え、ハルは口を開いた。

コウジュンがフッと笑った。
「天の国なら国王とて侵略のしようがないだろう。おまえの国の在りかを私の優秀な友らでさえ探しあぐねている。」
カイルとユンハに視線を送る。

「もし罠であった場合には、私が。」
ユンハの目は獲物を見つめるようにハルを見つめる。

「だから私は、、! 、、 っ!?」
ユンハに向きなおった身体がぐっと引き戻された。

「おまえほど、私にふさわしいラドゥールは居ないのだよ。」

『必要だから』のはずなのに、
思いがけない優しい抱擁で包まれた。



窓からさぁぁっと風が舞い込んできた。
カーテンを大きくはためかせる。
闇の深まった外からは金色の光が差していた。
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