黄金のラドゥール
カーテンの隙間から、光が静かに静かに降り注いでいた。

「ハル?」

腕の中に囲んだはずのハルは誘われるように静かに窓辺に歩み寄っていく。


小さな手がカーテンをひくと、
窓いっぱいの光が降り注いできた。
まるで光のほうからハルに落ちてくるように見える。

「月光か。まるであの時のようだな。


あの時もおまえは黄金の光を浴びていた。今のように。」

少し欠けた月が、穏やかに輝きを放っている。


「、、ハル様?」
ガインの怪訝そうな声と、ユンハの鞘が触れる音が響く。
「コウジュン様、ハル様のお身体が!」

「これは、、、?!」


3人は喉を詰まらせた。


ハルは光に抱かれるように腕を開いた。
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