黄金のラドゥール

「ーーそれにしても先ほどの光景は、、」

3人は先ほどの光景が頭から離れずにいた。

「ええ、驚きました。」
ガイン、ユンハも頷く。

「あまりに儀式のときと同じだったので、
まさか本当にーー、、
あのままハル様が消えてしまうのかと思いました。」

「そういえばなのですが。
先ほどのことがあって、私も思い出したことがあります。
あの方を湖から引き上げた際、私はその身体を掴んでいたはずなのに、掴んだという感覚があまりに、なんというか、、おぼろげな印象だったのです。

あの時はあまりに不可解な現象だったので、そう感じていたことさえ、忘れていたようです。」

「おぼろげな、確かに。
先ほども、あのまま消えていなくなってしまいそうだった。」
だからとっさにハルの肩を掴んでいたくらいだった。

彼女がまた月の光に向かおうとした時には
その身体を抱きしめもしていた。
そうしなければ本当に消えてしまうかと思えた。