黄金のラドゥール
「月の光に人が消えたり、現れたりするものだろうか?」
「まさか!聞いたこともありませんよ。」
「・・・」
顔を見合わせていても答えは出ない。

先ほどは加減もできず強く握ってしまった。
痛がっていたが、肩が痣になってはいないだろうか?

両腕に顎を乗せ、ふっと寝室へ視線をやる。隣室にハルは眠っている。

「寝室のカーテンは?」
「はい、アユールに確認しました。
全て閉じさせてあります。」


「皇子、私はこういった事は信じないほうなのですが、」
ユンハが口を開いた。
< 79 / 238 >

この作品をシェア

pagetop