嘘つきな恋人
私達は楽しく一緒に過ごし、

おはようや、行って来ますや、お帰りなさい。のキスを欠かさずに、
時折、ヤキモチを妬く裕人さんと喧嘩もしたけど、
私が「愛している」と真面目な顔で言うと、機嫌が直るようだ。
(私に「愛している」と言わせたくて、グズグズとヤキモチを妬いている気もするけれど…)

裕人さんは毎日、恥ずかしいくらい愛の言葉を私の耳元で囁いてくれ、ギュッと抱きしめてくれる。

私はとても幸福な気持ちで楽しい日々を過ごしている。

裕人さんは療養所の仕事を続ける決心がついたようで、私達はこの海辺の町で暮らし続ける事になりそうだ。

それに、麦ちゃん先輩がお家の医院の「あおい小児科」(蒼井は麦さんの旧姓だ。)のナースに私をスカウトしてくれて、
退職したら週の半分を麦ちゃん先輩と分け合って、仕事をする事になりそうだ。
(夜勤もないし、気心が知れた芦沢先生との仕事は安心。麦さんのお父さんと芦沢先生以外に男性のいない職場は裕人さんも賛成らしい。)

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