嘘つきな恋人
結婚式場は海沿いのホテル。
真っ白いチャペルに、中のベンチも壁も真っ白。
正面がガラス張りで、天気が良ければ、
真っ青な海が見える素敵な場所だ。

結婚式やその後の披露宴は仕事先の出席者は勤務が優先なので、
二次会をDragonを貸切で使わせてもらえる事にし、
夜、勤務が終わる頃の時間にして、参加していただけるように考えた。

披露宴の席次や挨拶をしていただく方を決めてお願いしたり、
お料理や引き出物や、どんな演出にするかなど、
派手な結婚式にしなくても決める事はたくさんあって、
私達は休みのたびに打ち合わせに行ったりして
忙しく、それでも幸せな時間を過ごした。

夜、裕人さんは食後にソファーで私を横に座らせ、コーヒーを必ず飲んで、
お互いの1日を報告し合ったり、思っている事を話し合ったりして、
短くても、くつろいで過ごす時間を作ってくれる。

ま、イチャイチャしてそのままベッドになだれ込む事もあるけれど…

私と過ごす時間や、お互いの顔を見て話す事を大切に思ってくれているのがよくわかる。

自分で考えこんで、上手く言葉に出来ない私でも、見つめあって話していると、案外わかってもらえるし…
積極的になんでも話すというのが苦手な私を急かさず待ってくれる裕人さんは、やっぱり優しい人だ。

私は良いパートナーに恵まれた。
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