嘘つきな恋人
三島さんがベッドサイドのテーブルにグラスを置いて立ち上がり
リビングの入り口に立つ私の手を取る。

「ベッドルームは別にあるんだけど、海が見えるここにベッドを置いたんだ。」
と私の手を引きベッドに座らせ、くちづけをする。
香りの強いウィスキーの味のキス。

さっきと同じようにくちづけが激しくなっていき、

「俺はこのままでいいかな。今はシャワー浴びる余裕はないから。」

と私をベッドに押し倒す。

私が頷くと、私が巻きつけていたバスタオルを剥がしてベッドの下に落とし、

私を組み伏せた。

「手が冷たい。震えてる?俺が怖い?」と、私の瞳を真っ直ぐ見るので、

「…怖くはありません。緊張しているだけです。」と見上げると、

「すぐに手も温かくなるよ。」と囁いて身体に唇を這わせた。

固く目を閉じても、三島さんが私の身体を丁寧に刺激し、どの部分にも、唇を当て、

反応を見て私の声が出てしまうところを繰り返し執拗に責め立てるので、

声が止まらなくなっていく。

身をよじって、高い声をあげると、

「その声。好きだよ。」と私の腰を浮かせて、グっと深く奥まで繋げてきた。

「アアッ…」と小さな叫びが出ると、

「…もっと聞かせて。」と激しく動き出す。

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