嘘つきな恋人
三島さんと一緒に部屋を出て、
駅のそばのハンバーガーショップに寄り、コーヒーを一緒にのむ。

「恋人と別れられそう?」と聞かれ、

「はい。」と少し笑うと、

「戻れないようにキスマークも付けたしね。」とふふっと微笑むので、
やっぱりワザとだったなと確信する。

「わかってます。」と顔をしかめると、

「昨日は楽しかったな。いつでも誘ってくれていいよ。」と私の顔を覗くので、

「もう、結構です。」と笑うと、

「ええ?なんでよ。これからお互いフリーなんだし、いいじゃん。」

「昨日は例外です。
私は好きになった人としか寝ないんです。」と顔をしかめると、

「じゃあ、しょうがない。
好きになってもらうしかないか」とくすんと笑うので、

「…好きになりませんけど…」と言うと、

「おーい。普通の女の子は『ええー?どうしようかなあ?』とか言うんじゃないの?」

とクスクス笑う。

…馬鹿なの?

好きになんてならないって…

モテそうな王子みたいな三島さんとと付き合ったら、
また浮気の心配をしなきゃならないじゃないか…

「私は普通じゃないのかもしれません。」ととニッコリ笑うと、

「…普通の女の子だと思ったのに…」と顔をしかめてから微笑んだ。

変な人だ。

憎めない感じだけど

どこまで本気かわからない。

「もう、行かなくちゃ。」と言うと、

「駅まで送る。」と立ち上がって、トレイを片付けた。
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