嘘つきな恋人
青い海を見ながら、江ノ電に揺られる。

Dragonのある隣の駅から5分の1DKの賃貸マンションに私は住んでいる。
駅から少し歩けば海が見えるけれど、
私の住む単身用のマンションからは海は全く見えない。
海が望めるマンションはとても高額で私の手の出る金額ではないかな。

そういえば、三島さんが住んでいる部屋ってものすごくいい所に建っているな。
高校の教師のお給料ってそんなにいいのだろうか?
とふと思って
三島さんの王子のような笑顔を思い出したけど、
今はそんな事を考えている暇はない。

朝のうちにケリをつけなければ、
しおりちゃんが私と剛の事を知る前にキチンと別れておきたい。
後で知ることになっても、
彼女のダメージを少しでも和らげたい。

私も深く傷ついてはいるけど、
また、こういうことがあるかもしれない。
と心のどこかでわかっていた気がしている。
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