嘘つきな恋人
「三島さん?」と私が声を出すと、

「そいつが浮気男だろ。別れろって言ったじゃん。」
と私の頭をポンポンと叩いてから、テーブルにチーズをおいた。

「お客さん?何やってるの?」とさくらさんが驚いた声を出すけど、

「ドラゴンに美鈴スペシャル頼めるって聞いたから、
今日は美鈴が来てるんだって思ってさ。
見えないところってここだけじゃん。
だから、ここにいるんだろうなって…
また、メシも食べられてないんだろうって思って届けに来た。」と私に笑顔を見せる。

こ、こら。
今取り込み中ってわかるでしょ。

「おまえ、誰?」と剛が睨みつける

「これから、美鈴と恋人になる予定の三島裕人、32歳。って感じでいいかな。」
と剛に笑いかける。

「浮気はダメだよねえ。さくらさん。」とさくらさんにも話しかけて、無理やり頷かせている。

「おまえには関係ない。向こう行ってろよ。」

「いや、関係なくないよ。
俺、新しい男に立候補するし。
ちゃんと別れてもらわないと困るんだよね。」

…何言ってるの?

「美鈴、こいつとなんかあるのか?!」と言われ、

「剛に言う必要はないでしょう。」と怒ると、

「たいしたことはないよ。
1回寝たぐらいかな。と三島さんは私の顔を見た。



爆弾投下、と
頭のなかでサイレンが大音量で鳴り響く気がする。



…店で会っても、知らないふり。
って言いましたよね?
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