嘘つきな恋人
剛と一緒にDragonのドアを開け開けると、

さくらさんとドラゴンの驚いた顔に出会う。

「なんで一緒にいるの？」というさくらさんの言葉に、

「もう少しだけ、友達としてあってもらえる事になった。」
と剛は照れ臭そうに言ってカウンターに座る。

「うーん。ここでだけって約束で、ご飯を食べるだけだよ。
執行猶予期間。って感じかな…」と私が呟くと、

「手のかかる男だねえ。」とさくらさんが呆れて笑った。

「酔っ払って、美鈴ちゃんに絡むなよ。」
とドラゴンがノンアルコールの飲み物のメニューを剛に差し出すと、

「ビールなら酔わないよ。」と剛は笑って私と一緒にビールを頼んだ。

前菜のお皿とパスタと白身魚と野菜のフリットをシェアする事にして注文すると、

チーズの盛り合わせとしらすのピザも目の前に置かれた。

「？」とドラゴンの顔を見ると、

「三島君に美鈴ちゃんが店に来たら教えてって、
言われてて、電話したら、先に注文も受けた。」とくすんと笑う。

「なんで俺の邪魔すんの？」と剛は顔をしかめるけど、

「親心（おやごころ）。」と微笑むドラゴンには文句も言えないようだ。

私はちょっと笑って、焼きたてのピザを取り皿に取り分けた。

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