嘘つきな恋人
少し眠って目覚めると、祐人さんが私の顔を見ている。

「な、何?」と聞くと、

「やっと、俺のモノだなって思って。」と私の頬を撫でる。

…その俺様な発言は結構恥ずかしい。と顔が赤くなる。


私がベッドから起き上がると

「今日は仕事?」と聞かれ、

「夜勤。だから、夕方から、明日の朝まで勤務。」と言うと、

「じゃあ、明後日は休み?」

「そう。よく知ってるね。」

「長く生きてれば、色々知ってる事もある。」と笑うけど、

昔、看護師と付き合った事があるのかな…とチョット考えた。

…まあ、そんな事だろう。

「俺も明後日は休みにするよ。明日は俺の部屋においで。ゆっくりしよう。
ここの風呂狭いし、一緒に入れないじゃん。」と言ったので、

「一緒に入らないけど…」と言うと、

「気が変わるかもしれないし、
お泊まりセット持っておいで。
女の子はイロイロ用意があるでしょ。」

とくすんと笑う。

私はうなずき、シャワーを浴びにいくけど、チョット振り向き、

「…荷物、置いていいの?」と聞くと、

「好きなだけどうぞ。」と笑って言ってくれてすごく嬉しくなる。


それって、私以外の女の人はいないって事だよね。

と髪を洗いながら、胸の間に付いた新しいキスマークを確認した。

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