嘘つきな恋人
その6 たねあかし。
泣き腫らした目のまま仕事に行き、

周囲に不審がられたけど、私は言い訳も考えられなかったので、そのままで過ごした。

「新しい恋人と喧嘩しましたか?」としおりちゃんにまで心配されてしまった。

やれやれ。

「大した事じゃないの。少し、喧嘩しただけ。」とニッコリ笑っておく。

仕事をするうちにだんだんと落ち着き、

お昼休みには

電話に出なかったのはおとなげなかったな。と、

きちんと話し合わないといけない。

もう、泣いても事実は変わらないから、

もし、他にも恋人がいるのだったら、

会うのはやめよう。と思ったり、

こんなに好きなのに…

私は裕人さんと離れたら、忘れることができるのだろうかと

思ったりしながら、昼休みを終え、

午後の仕事に戻った。
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