【完】こちら王宮学園ロイヤル部
「姫の好感度上がりまくりだな〜。
文化祭の準備期間動き回ってたし、頼りになるから男も女の子も姫のこと信頼してたよ〜」
「……え、そうなの?」
「そーだな。
昨日の仕事すげーやりやすかったって評判だぞ」
……そうなのか。知らなかった。
ただ自分でできることをしてしまおうと動いていただけだから、まさかそんな風に言ってもらえてるなんて知らなくて驚く。
「あ、そうだ。
なんか、わたしといつみ先輩が付き合ってるって噂が立ってるらしいんだけど……」
「あ? お前知らなかったのかよ?
結構前から噂になってんぞ、ソレ」
……莉央は知ってたのか。
そうね、運動してくるだの体育の授業に出てくるだの、わたしの次にC棟から出てるのは莉央だものね。椛も買い出しにはよく行くけど。
「なんでいっちゃん……?」
……椛は知らなかった、と。
「なんでって、
アイツがロイ部の責任者だからじゃねーの?」
「そんなんで噂になんの?
あ〜……まあ、姫探ししてて急に姫になったら、そういう噂も立つ、か」
「いろは、りお、ななせ。
……そろそろ配置につく、じかんだよ?」
ルアのほのぼのとした声を聴いて、みんな一斉に時計を見る。
気づけば周りにいた生徒は受付を同じように担当してくれる実行委員以外いなくなっていて、ふたりは「やべ」と口にした。
「いっちゃんと姉さんにサボりって怒られるわ。
んじゃ、基本的に俺らは自由に動けるから、なんかあったらすぐ連絡しろよ〜」