【完】こちら王宮学園ロイヤル部
「……たぶん、3どころじゃ、」
「へえ。モテるお姫様は大変だね。
……で、そのお姫様は誰と付き合ってるの?」
「誰とも付き合ってないから口説いてんの!
リーダーちょっと黙ってて!」
「わー、NANAが俺に冷たい。悲しいなぁ」
……あれだな。
リーダーは夕帆と椛を足して割ったような性格してんな。一言で言うと、とんでもなくめんどくせータイプだな。
「NANAって、もっと恋愛にクールなタイプだと思ってたんだけどー。
自分の世界入っちゃうぐらいだし、相当ベタ惚れっていうかー。あの子のこと好きすぎじゃん?」
それを見て口々に揶揄いだすメンバーも相当めんどくせーな。
……いちばん年下の夕陽のこと揶揄って遊んでるだけだろうけどよ。
「なんて口説いてたっけ?
綺麗になった? あれ、可愛くなっただっけ?」
「ほっといたらキスでもするんじゃないかなって感じだったよね」
「しかも我に返ったあと真っ赤になっちゃってたしー。
NANAちゃんほんとかーわい」
「っ、こうなるから俺は予定の時間に来ようって言ったのに……!」
散々揶揄われて言い返してるけど、ネタが上がってる分どうしようもないのはわかってるらしい。
夕帆が夕陽のこんなとこ見たら、あいつ爆笑するんじゃねーかな。仲悪いし。
「つーかさ、お前もいい加減にしろよ。
あいつにフラれたんじゃねーの?未練がましいな」
「……うるさい。いいじゃん別に」