【完】こちら王宮学園ロイヤル部
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「南々瀬ちゃん、おかえりなさい。
……あら? いつみは?」
C棟のリビングに足を踏み入れれば、夕帆先輩がにこやかに迎えてくれる。
『Fate7』は、それぞれ寝ていたりスマホで遊んでたり話していたり読書をしていたり、様々だ。……それなら早く来なくてもよかったのに。
「理事長に呼び出されたみたいです」
夕陽がソファの上で眠っているから、あとでタオルケットを取りに行ってあげるとして。
ひとまず夕帆先輩の問いに答えると、彼女は「あらそうなの」と部屋を一度見回す。
「じゃあ椛、先に休憩行ってきていいわよ。
莉央もそろそろ戻ってくるだろうし。ルアとルノにも声かけて行って」
「了解〜。 んじゃあ行ってくるわ〜」
またあとで、と。
甘やかに微笑んだ椛は、リビングを出ていった。
「こんな感じで自由に過ごしてるから、
多少は放っておいてもなんとかなるわよ」
「……まあ、たしかに自由ですね」
「でしょ? 完全にくつろいでるわよね」
そんな話をしていれば、視線の先にいた夕陽がむくっと身体を起こす。どうやら眠りから覚めたらしい。
一瞬きょとんとして、それから「ナナ」と私を呼んだ。
「……水、ほしい」
「あ、うん。待ってね」
キッチンに足を踏み入れ、冷蔵庫に常備されているミネラルウォーターをグラスに注ぐ。
それを夕陽に手渡せば、彼はお礼を言ってから口をつけた。