【完】こちら王宮学園ロイヤル部
……いま、何時、だろう。
っていうか、みんな騒ぐだけ騒いで、自由すぎた。それぞれ雑魚寝しちゃってるけど、朝目が覚めたらロイヤル部と『Fate7』が顔をあわせるってどんな状況なんだ。
とんでもなく女子が食いつきそうな状況だけど。
ああそうだ、マネージャーさんが明日の朝迎えに来てくれるらしいから、協力してもらったことにもお礼を言わなければいけない。
なんて冷静に考えながら身体をゆらりと起こす。
チクタクと小さく刻まれる秒針の音へ視線を向ければ、時計は3時。どう考えても真夜中。
「お風呂入ればよかった……」
さすがにこの時間からは入れないし。
みんなはいいかもしれないけど、女子としては焼肉後にお風呂に入れていない状況がつらい。
明日はやく起きて部屋でシャワー浴びよう。
というか、この部屋には14人もいるのに。
みんな寝てると、こんなにも静かなのか。
「、」
そんなことを考えていたら、何の前触れもなくリビングの扉が開く。
え……!?と、思わず声をあげそうになったのだけれど。
「シー」
そう言ってくちびるに人差し指を押し当てたその人が誰なのかを把握して、ホッと息をつく。
それからまわりを一瞥して、小さく口を開いた。
「どうしたんですか、理事長」
「文化祭がんばってくれたみんなの顔を見れていなかったからね。
それと。……この時間でも、きみが起きてるんじゃないかって、何となく思ったから」
小声で告げて、くすっと笑う理事長。
わたしが起きてると思ったって……いや、でも本当に起きてるんだから、そう思って来たんだとしたら凄い。