【完】こちら王宮学園ロイヤル部
「……もう1回言ってもらってもいい?」
「はい。夕さんは、正真正銘男性です」
「っ、な、嘘でしょ!?」
いやいや……!
どこからどう見たって美人な女性なんですけど……!!
というか、女子の制服着てるし……!
わたしよりも女王先輩の方がスカート丈短いんですけど!?
「あーあ、言わないで楽しもうと思ったのに。
……そうよ、あたしほんとは男なの」
こんなナリだけど、って。
綺麗な微笑を浮かべた女王先輩は、やっぱりとてつもなく美人で。絶句するわたしの前まで歩み寄ってきたかと思えば、手を引いた。
女王先輩の手はたしかに大きいけど、すごく綺麗だ。
言われなきゃ、男の人だってわからない。……いや、言われてもわからない。
「信じられないって顔してるわね」
「だ、って……そんなの、信じられません」
「ふふっ、罪な女でごめんなさいね」
碧眼が、太陽を受けた海面のように淡く揺らめく。
それを見つめていれば彼女……いや、彼はわたしの耳元へくちびるを寄せた。そして。
「信じられねえなら……
俺が男だってこと、存分に分からせてやろうか?」
「な、っ……」