【完】こちら王宮学園ロイヤル部



「……もう1回言ってもらってもいい?」



「はい。夕さんは、正真正銘男性です」



「っ、な、嘘でしょ!?」



いやいや……!

どこからどう見たって美人な女性なんですけど……!!



というか、女子の制服着てるし……!

わたしよりも女王先輩の方がスカート丈短いんですけど!?



「あーあ、言わないで楽しもうと思ったのに。

……そうよ、あたしほんとは男なの」



こんなナリだけど、って。

綺麗な微笑を浮かべた女王先輩は、やっぱりとてつもなく美人で。絶句するわたしの前まで歩み寄ってきたかと思えば、手を引いた。




女王先輩の手はたしかに大きいけど、すごく綺麗だ。

言われなきゃ、男の人だってわからない。……いや、言われてもわからない。



「信じられないって顔してるわね」



「だ、って……そんなの、信じられません」



「ふふっ、罪な女でごめんなさいね」



碧眼が、太陽を受けた海面のように淡く揺らめく。

それを見つめていれば彼女……いや、彼はわたしの耳元へくちびるを寄せた。そして。



「信じられねえなら……

俺が男だってこと、存分に分からせてやろうか?」



「な、っ……」



< 47 / 655 >

この作品をシェア

pagetop