【完】こちら王宮学園ロイヤル部



「いつみ先輩?」



「ああ、そうだ。

今日、俺この部屋に泊まることになってるから」



「へ?」



え?この部屋に泊まるの?先輩が?

わたしが両親から聞いてた話だとこのホテルはあと数日取ってあるはずだし、あれ、でも、わたしいつ日本に帰れば良いの?



「ちょ、っと待ってください」



「なんだ?」



なんだ?じゃない。

余裕げなその姿はいつも通りかっこいいけれど。そういうことじゃなくて……!




「ま、さか、一緒に泊まるんですか……?」



「……別々が良いのか?」



いや、そういうわけでもないんだけど……

なんていうか複雑な女心で、ああでも、ちょっと寂しそうな顔してるのずるい……っ!



「一緒が嫌なら、別々でいい」



「嫌とは言ってません……」



「……なら、一緒で良いだろ?」



反論する余地もない。

しかもタイミングをはかったように先輩が預けていた荷物が部屋に届き、本当にこの部屋にふたりで泊まるらしい。……いや、べつにいいけど。



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