【完】こちら王宮学園ロイヤル部



「なら結婚すれば良いだろ?」



さらっと。さらーっと。

なんでもないことのように、言い放った。



……どうしよう。

とんでもない無茶ぶりなんですけど。



っていうか、なんでそんなに真顔なの。

え、本気で言ってる?



「……ああ、でも。

どう考えても、3月までは結婚できないな」



「……まあ卒業してませんからね」



現実的に、3月になったら結婚できるわけでもないんだけど。

先輩が卒業してもあと1年わたしが在学する以上、どうしたって結婚できないんだけど。……その前に、結婚が前提で話が進んでるのはおかしい。




「いや?

俺の誕生日が3月だから、結婚できねえだろ」



俺まだ17だからな、と。

わたしの欲しい答えとはまったくもって違う返事をする先輩。そりゃ結婚できるわけがない。だって法律で定められてるんだもの。……でも、だ。



「……先輩」



「ん?」



「……冗談、ですよね?」



あまりにも本気の声色なせいで、思わず不安になってくる。

本気だったらどうしよう。たとえ本気だったとしても、どこまでが本気だったんだろう。



できれば、先輩が18歳になってないから結婚できないって話だけでいい。

それ以外まで本気だと困る、と。



< 503 / 655 >

この作品をシェア

pagetop