【完】こちら王宮学園ロイヤル部
「なら結婚すれば良いだろ?」
さらっと。さらーっと。
なんでもないことのように、言い放った。
……どうしよう。
とんでもない無茶ぶりなんですけど。
っていうか、なんでそんなに真顔なの。
え、本気で言ってる?
「……ああ、でも。
どう考えても、3月までは結婚できないな」
「……まあ卒業してませんからね」
現実的に、3月になったら結婚できるわけでもないんだけど。
先輩が卒業してもあと1年わたしが在学する以上、どうしたって結婚できないんだけど。……その前に、結婚が前提で話が進んでるのはおかしい。
「いや?
俺の誕生日が3月だから、結婚できねえだろ」
俺まだ17だからな、と。
わたしの欲しい答えとはまったくもって違う返事をする先輩。そりゃ結婚できるわけがない。だって法律で定められてるんだもの。……でも、だ。
「……先輩」
「ん?」
「……冗談、ですよね?」
あまりにも本気の声色なせいで、思わず不安になってくる。
本気だったらどうしよう。たとえ本気だったとしても、どこまでが本気だったんだろう。
できれば、先輩が18歳になってないから結婚できないって話だけでいい。
それ以外まで本気だと困る、と。