【完】こちら王宮学園ロイヤル部



「首突っ込むなよ。お前には関係ないだろ」



「関係ある。

っていうかお前も俺といくみのことに色々と口出してくるだろ。それと一緒」



「何が悲しくて姉貴からお前との時間に起きた出来事を散々聞かされなきゃいけねえんだよ。

さっさとあのブラコン黙らせろ」



「ちょっと待っていくみは一体弟に何を話してんの?」



「知りたいなら本人に直接聞けよ。

南々瀬の前で言えるような話じゃねえから」



「!? はっ、おま……っ。はあ!?

どこまでオープンなんだよお前ら姉弟は……!」



……何の話してるんだろう。

さっきまで先輩とわたしが一緒に住んでるって話をしてたのに。仲が良いせいで、すぐ先輩たちふたりが盛り上がってしまうし。




せめて邪魔しないように、と。

ぼんやりしていたら、C棟の前でいつみ先輩が足を止める。それから言い合いをやめて、わたしの頭に手を乗せた。



「南々瀬、今日ほかに用事は?」



「え? あ、ううん。何も」



「なら、今日は始業式だけで終わりだから帰るか」



ハワイに滞在した数日で、色々と先輩と話をした。

その中のひとつに敬語で話さなくて良いというのがあって。一緒に暮らしているからだいぶ慣れてきたものの、まだすこし違和感がある。



あともうひとつ。呼び名のことだ。

わたしは彼をいつみ先輩と呼んでいるけれど、先輩はどうもそれをやめてほしいらしい。



だけどそう言われても、もう定着しちゃってるし。

いきなり名前で呼べと言われても、少々どころかかなり呼びづらい。いまは先輩も許容して、何も言わずにいてくれてるけど。



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