【完】こちら王宮学園ロイヤル部







夕帆先輩が作り上げてくれたアルバムに、わたしがあとで貼り足してデコレーションしたアルバム。

まだすべて埋まってはいないけれど、ハワイにも持っていったそれ。



これだけ持っていけばいいと思っていたはずのアルバムは今わたしといつみ先輩が住む部屋にある。

人生って本当に、何が起こるかわからないものだ。



「あ〜、終わんねえな〜」



「文句言わないでくださいよ、椛先輩。

南々先輩が異様なぐらいのスピードで片付けてくださってるんですから、これでもかなり早い方なんですよ」



「ルノお前、

着々と椛に対して小姑みたいになってんな」



「ルノはすごく、まじめだもんねぇ」



冬休みが明ければ、わたしたちの前には山積みの仕事があった。

というのも、ロイヤル部の仕事、正式には生徒会役員が毎年行ってきた仕事に倣って纏める必要があるからだ。




イベントに関してはその都度仕事をしてきたけれど、年間を通して行う仕事についてはまだまだやらなきゃいけないことがある。

いつみ先輩と夕帆先輩抜きでその作業をしているため、いつもよりも仕事のスピードが遅い。



7人で作業していたら話が脱線することも多いけれど、なんだかんだいつみ先輩と夕帆先輩の作業スピードは格段に早い。

3年連続で生徒会役員だし。



「ねえ、そういえば……

あのパンフ、本当に配ってるの?」



「あの、って?」



「……ロイヤル部の、」



本格的な撮影やらインタビューやらが行われた、あのロイヤル部専門パンフだ。

内容を思い出して思わず顔を引き攣らせるわたしにふっと笑ってみせたのは書記担当の椛で。彼はパンフの件について一番詳しいのだけれど。



「あれ、発行取りやめになったらしいぞ〜」



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