【完】こちら王宮学園ロイヤル部



「お前ねえ、勝負事強いの〜?」



「ううん、全然」



「………」



……なによその目は。

どうせ巧くいかないとか思ってるんでしょ。わたしも巧くいくとは思ってないけど。みんな揃って任せたくせにその信頼のなさ。



「紅茶でも淹れますね」



「うん、ありがとう。ルノ」



最初に置いたのは夕帆先輩で、一枚が黒に裏返される。

まだ序盤だからと、とりあえずぺちっと白を置いて斜めにいちまい黒を白へと返した。




ぱちぱちと、盤上の駒が順に裏返される。

夕帆先輩といつみ先輩は一応交互に黒を置いて、2年組へと順番を回してくれているのだけれど。



「……先輩たち話し合う気なさすぎません?」



こそこそどこに置くかを相談するわたしたちと違い、まったく話し合わないふたり。

眉間を寄せて訴えれば、夕帆先輩は一瞬だけちらりといつみ先輩を見た。そして。



「言わなくても、

お互いにどこ置くかわかってるからいいのよ」



「……え、意思疎通でもしてるんですか」



「……あたしの考えがこいつに分からないワケないし、こいつの考えがあたしに分からないワケないでしょ。

何年一緒に過ごしてきたと思ってんのよ」



……あ、れ?



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