【完】こちら王宮学園ロイヤル部



こちら側のはずのルノと莉央からもそう言われる羽目に。

……弱くないもん。ちょっと負けちゃっただけで。



「で、なんて言ってたっけ?」



「お願い事をなんでもひとつ、だろ」



「ああ、そうだったわね」



ビクッと、5人の肩が揺れる。

しかも何気にいま、いつみ先輩と夕帆先輩会話しなかった?ほんとに喧嘩してたんじゃないの?なんか仲良く「何にする?」って話してるんだけど?



「ちょ、ちょっと待ってください!

いつみ先輩と夕帆先輩って喧嘩してたんじゃないんですか!?」



「……俺ら喧嘩したなんて言ったか?」




はい……!?喧嘩じゃないの!?

え、じゃあなんで3日もお互いに口利かないの!?わざわざ頼み事に誰かを経由するの!?



「あたしたち、

これでもマジ喧嘩はしたことないわよ?」



にこり。

左右の指を組んだ状態でいつみ先輩の肩に乗せ、寄りかかるようにして笑う夕帆先輩。



仲睦まじいその様子は、彼が美人なことによってまるで美男美女カップルのように見えるけれど。

……じゃあ3日間の沈黙は?



「いつみ!夕帆!」



バン!と勢いよく開いたリビングの扉。

そこから顔をのぞかせたのは、いつみ先輩の姉であり夕帆先輩の彼女であるいくみさんで。



「ほんっとに、ごめんね……!」



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