【完】こちら王宮学園ロイヤル部
ただの興味本位だけど、一体ふたりの関係はどこまでいったのやら。
一緒に泊まってたらしいしな。……まあ、知ったら知ったで落ち込みそうだから聞かねえけど。
「嫌いじゃないって、」
「別に隠すことでもないじゃねえの。
どうせ俺ら3人とも似たようなもんなんだからよ〜」
言おうが言わまいが、叶いもしない。
ぐらぐらと不安定に揺れるタワーで「嫌い」なんて、あってないようなもんだろ。
「どうせ俺ら3人とも好きじゃねえの」
「……そうですね」
あ〜、さむい。
1月に屋上で話すもんじゃねえなマジで。
「南々先輩の話って、」
「ん〜?」
「俺は、すごく綱渡りみたいだと思ったんです」
キャップをはずしたままの、カフェオレのペットボトルに口をつける。
そんなに長話しているワケでもないのに、もう随分とぬるくなってしまっていた。
「だって、もし。
14年前の約束がなかったら?いつみ先輩がその約束を果たすような人じゃなかったら?ロイヤル部の存在に、彼女の両親が気づかなかったら?」
ここ最近。
ルノは一人称を"俺"と言う機会が増えた。
それはまぎれもなく、ルノが本音を出す機会が増えたからだ。
いままでずっと言葉にすることに怯えていたルノも、すこしずつ、変わってる。