どんとこい背後霊
あんた、失礼じゃない!

ところが…

少年は一瞬、不思議そうな表情を浮かべたものの、すぐににっこりと笑い、「こちらへ…」と、私をいざなう

おい、おい、少年!いいのか?

「変なやつ、つれてくるな!」って、道場主に怒られるぞ!

礼儀正しい「サムライ言葉」で話しているとは言え、私は普通の女子高生なのだ

しかも私は…制服姿。

背後霊が乗り移って、勝手にしゃべって勝手に行動しているだけなのだ

玄関で靴を脱いで、少年の後を追う

…中に入ると、結構広い道場だ

みんな、それぞれ道着を着て、防具を着装して、何組にもわかれて打ち合っている

見たところ、少年少女が多いようだけど

少年は板の間の廊下を通り、私を奥へ奥へと誘導し、一人の男の人の前へ
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