どんとこい背後霊
勇気をふりしぼる

「おばあちゃん、私、私…
剣道習いたいの!
だから、だから、その…」

「なにっ?ケンドー?」

「そ、そうなの…だから
ちょっと、お金を…貸して欲しい…の…」

最後の方は、まさに消え入りそうな声で…

そう、私は今、お小遣いがほとんど無い

お洋服もアクセサリーも買ってない

半分居候の身だから、年金暮らしの老人に対して、お小遣いが欲しいなんて、とても言えないのだ

でも、剣道を習うために、先立つ物…まずは道着を買わないといけないし…

「防具はアタシの貸したげる」ってミハルさんは言ってくれたけど、いつまでも他人の物を使うわけにはいかないし…

やっぱり、無理だな…

おばあちゃんの眼を見るのが辛くて、うつむいてしまう
< 144 / 272 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop