どんとこい背後霊
ポンッ、と肩を叩かれる

顔を上げる

おばあちゃんの、春の日だまりのような、優しそうな笑顔

彼女は黙って立ち上がり…タンスの引き出しの中から封筒を取り出した

「ほら、これ!」

「おばあちゃん…?」

「こんなこともあろうかと思って、私、お金貯めとったんよ」

ガサガサと封筒の中を確かめてみる

…5万円!

「お、おばあちゃん、
こ、これ…?」

「あんた、女の子やのに、お洋服も全然買ってないやろ?ちょっとはお洒落せなあかんで!
しかしまあ、あんたが剣道やりたいて言うとはなあ…」

私は、何も言えない
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