どんとこい背後霊
「お洋服の代わりに、かっこええ道着買い!な!
ああ、それからな…」

おばあちゃんはもう一度「よっこらしょ」と立ち上がり、今度は押し入れの方へ

「ええと、どこにしもたかいな…」

押し入れの中を、ゴソゴソかき回している

「あったっ!これやこれや!」

「おばあちゃん?」

彼女が「よっこらしょ、よっこらしょ」と押し入れから引っ張り出して来た物…

何やら、焦げ茶色の古めかしい布袋と…

黒い、長いケースに入った、棒みたいな物

布袋のヒモをほどいてみる

「わああっ!」

中身を見て、思わず驚きの声を上げる

面、胴、小手、垂れ…

剣道の、防具一式が、そこに…

「こ、これ…?」

「…私の旦那、あんたを引き取る前に死んでしもたんやけど、昔、剣道やっとったんよ」
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