どんとこい背後霊
先生に、礼…

初日なので、道場の隅っこでひたすら素振り

横目で先輩たちの稽古を観察する

少年たちとは、一段違う、気合いと迫力だ

『おおお…血が…』

一刀斉が、心の中でうめく

『血が…血が…騒ぐううう』

ダメだよいっとーさい!

これは私の稽古なんだからね!

はやる一刀斉を、何とか押さえ込む

雑念を払い…

素振り、素振り

摺り足、摺り足…

…「まこちゃん!ええやん、その道着!
潰れかけのぼろっぼろの店で買うたんか?」

休憩時間中、ミハルさんが話しかけてきた

はい、潰れかけのぼろっぼろの店で買いました。
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