一輪の花を君に。2nd
ーside中森ー




美空の話を聞いてから、美空がいなくなるなんておかしい。




もしかして、会話が聞こえていたのか。





美空が、病室を抜け出したりするってことはよっぽどのこと。








あんな状態で、外になんか出たら危ない。






美空が、外に出ていないことを祈りながら俺は美空を探した。










「「先生!」」







理人君と、大翔君は走って戻ってきた。







「見つかりましたか!?」







大翔君の言葉に、俺は首を横に振った。






一体、どこに行ったんだ。








「先生!」







「花森さん!?」







「先生…。


大丈夫です。美空ちゃん見つかりました。」






「どこにいたんですか!?」





「先生…。



理人君も、大翔君も…。



少しは、言葉を慎んでください。




ここは、病院です。



美空ちゃんも、入院してる所なんです。




今、美空ちゃんのために1番大切なことは、美空ちゃんが不安に感じないように、美空ちゃんが1番安心できる人が、そばに付き添うことなんです。





大丈夫です。





美空ちゃんは、さっきの会話聞こえてなかったみたいです。


それから、ここの部屋は、ナースステーションと隣なんです。




ナースステーションには、私しかいなかったからいいものの、他の誰かに聞かれたら、どうするんですか。


私は、美空ちゃんのところに戻ります。」












「花森さん…ちょっと待って。」









「それからもうひとつ…。



私は、美空ちゃんのことを知ってます。




あなたより、もっとずっと前から。



失礼します。」






花森さんは、そう言い放ち部屋から出た。
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