一輪の花を君に。2nd
ーside香音ー
ここ最近の美空は、笑顔も増え色んな感情を見せてくれるようになった。
嬉しい反面、なんだか違和感に思うようにもなった。
ここ数カ月前の美空にはそんな違和感を感じなかったのに…。
美空は、今きっと何かを隠している。
それに、美空だけでなく理人や大翔も。
何も知らないのは、私と翔太だけなんだろうか…。
「翔太、最近理人たち帰り遅くない?」
「そうだな…。
美空も、入院しちゃったしお見舞いとかに行ってるのかな?
そういえば、最近はどこに行くのか濁して行くようになったよな…。」
「翔太も、やっぱり知らないんだ…。」
「あぁ。
隠し事なしって、約束したのにな。」
翔太は、そう言って寂しそうに笑った。
「翔太、理人に何かあったのか聞いてみない?
きっと、大翔が関係してるってことは自分のことじゃないと思う。
もしかして、美空の事なんじゃないのかな?」
「美空のこと?」
「うん。」
「なあ、香音は最近の美空に違和感感じなかったか?」
「翔太も?」
「なんか、最近の美空の様子がどうも胸に引っかかってたんだ…。」
「私も…。
ねえ、翔太。
もしかしたら、中森先生なら知ってるんじゃないのかな?
今から、一緒に美空の病院に行って中森先生に話を聞いてこない?」
「今からって…。
もう、夜の10時だよ。
きっと、病院は消灯しちゃったし面会時間も過ぎちゃってるよ。」
「そっか…。」
「「ただいまー。」」
色んなことを考えていたら、理人と大翔が帰ってきた。
「香音、翔太。遅くなってごめんな。
あと、話したいことがあるんだ。
美空のことで…。」
私は、思わず唾を飲み込んだ。
さっきまで、その話をしていたから変に動揺してしまったんだ。
「香音…。」
そんな私に気づいた理人が、頭をそっと撫でた。
大翔も、難しい顔をしてカーペットの上に座った。
「実は、美空の兄と名乗る人から電話があった。
それで、美空は精子バンクっていう、見ず知らずの男性の精子を美空のお母さんの卵子に体外受精させられて産まれた子が美空だったんだ。
きっと、美空はその事を知らない。
お兄さんがいるなんてもっと知らない。
そのことを、今日中森先生と話してきたんだ。
もし、美空のお兄さんと名乗る人から電話があったら、教えてほしい。
それから、今は美空が入院してるけど退院して戻ってきた時に、必ず美空を1人にしないでほしいんだ。
美空が、電話をとってしまったらあいつまた心を閉ざしてしまうと思うから。
話さずに、動いててごめんな。
隠し事なしって、約束したのにな。」
「大翔は、悪くない。もちろん理人も。
話してくれてありがとう。」
「翔太…。」
「私達で美空を守ろう。
美空の笑顔、消したくないもん。」
「香音。ありがとう。」
私たちの絆は、そんな浅くはない。
付き合いが長ければ長いほど、色んなことが積み重なったからこそ絆は深まっていくんだ。
美空、大丈夫かな…。
美空の違和感は、決して消えることなんてなかった。
そのことを、理人や大翔に話せず一夜が過ぎてしまった。
ここ最近の美空は、笑顔も増え色んな感情を見せてくれるようになった。
嬉しい反面、なんだか違和感に思うようにもなった。
ここ数カ月前の美空にはそんな違和感を感じなかったのに…。
美空は、今きっと何かを隠している。
それに、美空だけでなく理人や大翔も。
何も知らないのは、私と翔太だけなんだろうか…。
「翔太、最近理人たち帰り遅くない?」
「そうだな…。
美空も、入院しちゃったしお見舞いとかに行ってるのかな?
そういえば、最近はどこに行くのか濁して行くようになったよな…。」
「翔太も、やっぱり知らないんだ…。」
「あぁ。
隠し事なしって、約束したのにな。」
翔太は、そう言って寂しそうに笑った。
「翔太、理人に何かあったのか聞いてみない?
きっと、大翔が関係してるってことは自分のことじゃないと思う。
もしかして、美空の事なんじゃないのかな?」
「美空のこと?」
「うん。」
「なあ、香音は最近の美空に違和感感じなかったか?」
「翔太も?」
「なんか、最近の美空の様子がどうも胸に引っかかってたんだ…。」
「私も…。
ねえ、翔太。
もしかしたら、中森先生なら知ってるんじゃないのかな?
今から、一緒に美空の病院に行って中森先生に話を聞いてこない?」
「今からって…。
もう、夜の10時だよ。
きっと、病院は消灯しちゃったし面会時間も過ぎちゃってるよ。」
「そっか…。」
「「ただいまー。」」
色んなことを考えていたら、理人と大翔が帰ってきた。
「香音、翔太。遅くなってごめんな。
あと、話したいことがあるんだ。
美空のことで…。」
私は、思わず唾を飲み込んだ。
さっきまで、その話をしていたから変に動揺してしまったんだ。
「香音…。」
そんな私に気づいた理人が、頭をそっと撫でた。
大翔も、難しい顔をしてカーペットの上に座った。
「実は、美空の兄と名乗る人から電話があった。
それで、美空は精子バンクっていう、見ず知らずの男性の精子を美空のお母さんの卵子に体外受精させられて産まれた子が美空だったんだ。
きっと、美空はその事を知らない。
お兄さんがいるなんてもっと知らない。
そのことを、今日中森先生と話してきたんだ。
もし、美空のお兄さんと名乗る人から電話があったら、教えてほしい。
それから、今は美空が入院してるけど退院して戻ってきた時に、必ず美空を1人にしないでほしいんだ。
美空が、電話をとってしまったらあいつまた心を閉ざしてしまうと思うから。
話さずに、動いててごめんな。
隠し事なしって、約束したのにな。」
「大翔は、悪くない。もちろん理人も。
話してくれてありがとう。」
「翔太…。」
「私達で美空を守ろう。
美空の笑顔、消したくないもん。」
「香音。ありがとう。」
私たちの絆は、そんな浅くはない。
付き合いが長ければ長いほど、色んなことが積み重なったからこそ絆は深まっていくんだ。
美空、大丈夫かな…。
美空の違和感は、決して消えることなんてなかった。
そのことを、理人や大翔に話せず一夜が過ぎてしまった。