一輪の花を君に。2nd
ーside中森ー


いつも通り、美空の元へ向かうと笑顔で元気に走ってくる美空の姿に、俺はとても安心した。




美空の顔を見るだけで、今日1日を頑張ろうと思える。





それだけ、美空は俺のパワーの源になっている。





こんなこと、恥ずかしくて美空には言えない。






首には、俺が約束に渡したネックレスをさげてくれている。






絶対、美空とした約束は果たしたい。






そう思いながら、美空の診察を終えてから俺は病院へと戻った。








「誠?」






後ろから声が聞こえて、振り返ると親父がいた。






「何でしょうか。」






「今日は美空ちゃんの様子どうだった?」







「今のところ、喘息は落ち着いている。


けど、今日体温を確認したら少しだけ高かった。



今日は、診察の日だからまだ熱があったらここでゆっくり休ませるよ。」








「了解。

じゃあ、今日も1日頑張れよ。」







「分かった。」







今日の夜は、出来れば美空と一緒にいたい。






だけど、美空はそれを嫌がるだろうか。






いくら心を開いたとはいえ、まだそれは無理そうかな。







ここ最近は、前もだけど美空のことが頭から離れない。







会えない時間は、美空は何をしているのかな。とか、ちゃんとやってるかなとか。




色んなことを考えてしまう。







重症だな、俺は…。






美空が、発作を起こさないことを祈り、外来の診察の準備を始めた。
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