一輪の花を君に。2nd
ーside廉斗ー
俺は、とある高校の健康診査をやってほしいと言われて看護師5人連れて高校へと向かった。
やっぱり、高校っていいよな。
そういえば、おれの妹も今年で高校1年生か。
元気にやってればいいんだけど…。
俺が美空を最後に見た時は、児童相談所の人に保護される姿。
あの時から美空のことが頭から離れられなくなっていた。
俺は、幸い親戚に預けられ他の子供と同じような幸せをもらった。
一方で、美空は途中で父親の元へ返され虐待と暴力に無縛られ、たまらなく悔しい気持ちと自分には何も出来ない無価値感でいっぱいだった。
だから、美空のことを守っていけるように猛勉強をして美空に安定した幸せと生活、暮らしをさせてあげたくて医者になった。
俺が、優しい親戚からそうしてもらったように。
そんなことを考えていると、1年生の担任から名簿を渡された。
俺は、驚いた。
そこには、『榎本美空』という名前があったから。
この名簿には個人情報も一緒に書いてある。
それから、美空の順番になった時、思わず息を呑んだ。
あまりにも小さくて、細くて。
でも、容姿や中身は大人びていた。
誰に似たんだろうか…。
美人に育ったんだな…。
そんなこと考えていると…
「先生、そろそろ診察を始めてください。」
「あぁ。じゃあ、榎本さん診察を始めますね。」
美空にとって初対面である俺は、こんな話し方しかできなかった。
美空の聴診をしていると…
この胸の音は、喘息か…。
美空が書いてくれた健康表を見ると喘息とIgA腎症があることが記されていた。
まじかよ…。
俺は、恐る恐る美空がどこの病院に通っているのか聞いてみた。
「榎本さん…。病院はどこに通ってます?」
「えっ…。」
そう少しかんがえてから美空は制服のポケットから診察券を出した。
「ありがとう。」
「でも…。どうして…」
「あ、いや。ちゃんと診察には行ってるかな?」
「はい。」
「よかった。じゃあ、採血始めるね。」
それから、美空は全ての検査を受けてくれた。
しばらくして、美空や美空の学校のみんなの健康診査の結果が出た。
必ず、スクリーニングにかけて引っかかっている人にはすぐ通達が出来るようにしている。
すると、美空が引っかかっていた。
喘息と、IgA腎症かな…。
そう考え結果を見ると、心電図に異常があるということが記されていた。
この知らせは…担任にしなければいけない義務がある。
だけど…
俺は、こんなに大切なことを他の人を通じて知らせるのは躊躇した。
できるなら、自分で美空にこのことを伝えて精密検査をしてあげたい。
でも…
きっと美空は、あの父親の元で散々な思いをしてきたはずだ。
だから、いきなり俺が美空に会いたいって言ってもきっと美空は困惑する。
それでも。
美空には…
俺から自分で説明をしたい。
大切な妹の命を守りたい。
幸い、美空の携帯の番号を名簿や本人の個人情報を予め渡されているから、今いる住所も知っていた。
個人情報を持っているからといって、利用するのはダメだっていうことくらい知っている。
だけど、美空を救いたい。
少しでも力になりたい。
その一心で、美空にメッセージを送っていた。
俺は、とある高校の健康診査をやってほしいと言われて看護師5人連れて高校へと向かった。
やっぱり、高校っていいよな。
そういえば、おれの妹も今年で高校1年生か。
元気にやってればいいんだけど…。
俺が美空を最後に見た時は、児童相談所の人に保護される姿。
あの時から美空のことが頭から離れられなくなっていた。
俺は、幸い親戚に預けられ他の子供と同じような幸せをもらった。
一方で、美空は途中で父親の元へ返され虐待と暴力に無縛られ、たまらなく悔しい気持ちと自分には何も出来ない無価値感でいっぱいだった。
だから、美空のことを守っていけるように猛勉強をして美空に安定した幸せと生活、暮らしをさせてあげたくて医者になった。
俺が、優しい親戚からそうしてもらったように。
そんなことを考えていると、1年生の担任から名簿を渡された。
俺は、驚いた。
そこには、『榎本美空』という名前があったから。
この名簿には個人情報も一緒に書いてある。
それから、美空の順番になった時、思わず息を呑んだ。
あまりにも小さくて、細くて。
でも、容姿や中身は大人びていた。
誰に似たんだろうか…。
美人に育ったんだな…。
そんなこと考えていると…
「先生、そろそろ診察を始めてください。」
「あぁ。じゃあ、榎本さん診察を始めますね。」
美空にとって初対面である俺は、こんな話し方しかできなかった。
美空の聴診をしていると…
この胸の音は、喘息か…。
美空が書いてくれた健康表を見ると喘息とIgA腎症があることが記されていた。
まじかよ…。
俺は、恐る恐る美空がどこの病院に通っているのか聞いてみた。
「榎本さん…。病院はどこに通ってます?」
「えっ…。」
そう少しかんがえてから美空は制服のポケットから診察券を出した。
「ありがとう。」
「でも…。どうして…」
「あ、いや。ちゃんと診察には行ってるかな?」
「はい。」
「よかった。じゃあ、採血始めるね。」
それから、美空は全ての検査を受けてくれた。
しばらくして、美空や美空の学校のみんなの健康診査の結果が出た。
必ず、スクリーニングにかけて引っかかっている人にはすぐ通達が出来るようにしている。
すると、美空が引っかかっていた。
喘息と、IgA腎症かな…。
そう考え結果を見ると、心電図に異常があるということが記されていた。
この知らせは…担任にしなければいけない義務がある。
だけど…
俺は、こんなに大切なことを他の人を通じて知らせるのは躊躇した。
できるなら、自分で美空にこのことを伝えて精密検査をしてあげたい。
でも…
きっと美空は、あの父親の元で散々な思いをしてきたはずだ。
だから、いきなり俺が美空に会いたいって言ってもきっと美空は困惑する。
それでも。
美空には…
俺から自分で説明をしたい。
大切な妹の命を守りたい。
幸い、美空の携帯の番号を名簿や本人の個人情報を予め渡されているから、今いる住所も知っていた。
個人情報を持っているからといって、利用するのはダメだっていうことくらい知っている。
だけど、美空を救いたい。
少しでも力になりたい。
その一心で、美空にメッセージを送っていた。