一輪の花を君に。2nd
「今日はないよ。」
「そっか。このまま美空の家に行ってもいいかな?
今はだいぶ下がったみたいだけど、美空はすぐ無理するから心配なんだ。」
先生は、そう言って私の頬に触れた。
「一緒に行っていいって。
なんか、保護者みたい。」
「美空。
前にも言ったけど、俺は1人の男として美空のこと支えていきたいんだけど。」
「分かってるよ。
先生の気持ち、苦しいくらい十分伝わってる。」
「まあ、危なっかしい所とか、まだまだ親目線で守っていかないといけないところもあるけどな。」
意地悪な笑みを浮かべているつもりだけど、優しく微笑む先生に気持ちが温かくなった。
「はいはい。もう今日は帰っていいでしょう?」
「あぁ。でもあまり無理はするなよ。
そういえば、大翔君たちも美空のこと心配でここにきてくれてたんだ。
皆で、一緒に帰ろうか。」
「うん。」
「よし。着替えだけしてくるね。
点滴はまだ終わってないから、今日はそのままだけど終わったら抜くから安心して。
待合室に大翔君たちがまだいたからみんなと待っててね。」
「うん。」
私は、病院の自動販売機で冷たいスポーツ飲料を買ってから、中森先生が来るのを待合室のソファーで待っていた。
待合室にはみんないてくれて、私が来るのを待っててくれていた。
香音「美空、お帰り。朝よりも顔色少し良くなってきて安心した。」
「香音…。皆も心配かけてごめんなさい。それから、ありがとう。」
大翔「皆、いつだって美空の味方だし美空のこと大好きなんだ。だから、1人で抱え込まないで。誰かに頼るってことは美空にとっては一番難しいことは分かってるけど、美空が1人で抱え込んでいたり苦しんでたりするのを見ているの辛いんだ。
だから、美空のペースでゆっくりでいいから頼ってよ。」
大翔はそう言うと私の頭に優しく触れた。
「大翔…。ありがとう。」
しばらくすると、中森先生がスーツに身をまとい私の元へ来てくれた。
「みんなお待たせ。そしたら一緒に帰ろうか。」
中森先生は私の手を取り皆で車に乗った。
病院から10分してお家に着いた。