一輪の花を君に。2nd
美空にとって、ご飯のことを言われるのは苦痛なのかもしれないな。



だけど、診察のたびに減っている体重がずっと心配だったし採血のデーターもだいぶ異常が出ているからここは心を鬼にして、美空に無理はさせず体調をみながら頑張らないとな。



美空は、ご飯は食べなかったもののシチューは口にしてくれていた。



「私も、少し頑張ってみます。」




前向きな美空の言葉が聞けて嬉しい。




香音「先生の魔法って本当にすごいですね。中森先生が近くにいてくれると美空だいぶ前向きになってくれるんですよ。」





「それなら、ずっとそばにいるよ。」




香音ちゃんから嬉しい言葉が聞けて、思わず美空を抱き寄せていた。



「ちょっと。皆見てるからやめて。」



「悪い。ついな。」




「ついじゃないよ。」




そう言って、美空は自分に背を向けてしまった。




「そんなにムスくれるなって。美味しいご飯なのに美味しくなくなっちゃうよ。」




「知らない。」



これはだいぶ機嫌を損ねてしまった。




まあ、完全に自分が悪い。



夕食を終えると、皆と団らんの時間を過ごした。



トランプや、ゲームをして楽しい時間を過ごした。



気づくと、美空は俺にもたれかかれるようにして眠っていた。



時間を見ると夜の10時を示していた。



もう遅い時間だよな。



翔太「ふふ。美空寝ちゃったんだね。」



「皆も明日は早いしもうそろそろ寝ようか。」



香音「私ももう眠いや。」


大翔「香音、そこで寝ると風邪ひくよ。お風呂でちゃんと温まらないと。」



理人「香音から入ってきな。1番寝そうだから。」



香音「ありがとう。」



大翔「先生は、美空のお部屋にお布団敷きますか。」



「うん。だけど自分でやるから大丈夫だよ。」




美空を姫抱きにしベッドへ寝かせてから自分の布団を隣に敷いた。




可愛い寝顔を見守りながら、皆がお風呂に出るのを待った。



理人君が部屋に来て声をかけてくれてから、お風呂に入り美空の隣の布団に入り眠りについた。
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