短編集〜アオハル〜
「あたし一人じゃ迷子になっちゃうー」
「それ三年生としてどうなの…?」
光が肩をすくめたその時
突然教室のドアが勢い良く開く。
「はーるーひー!!!!」
「なぁに?雅子」
「また負けたー!ジュースは何がいいですかこの野郎っ!」
突然入ってきたなり息を切らして肩を上下させる。
黒髪におかっぱが特徴的な昭和感漂う少女。
「えっとねレモンの炭酸のやつが欲しいなぁ」
「私オレンジジュース。」
「お昼に買うわ。って光も!?」
「いえーい」
「よろしく。」
春陽と光がハイタッチをして喜ぶ横で雅子は財布の中身を確認していた。
「今日も朝から元気だねーおはよう。」
「皆、おはよー」
教室に入ってきたポニーテールの少女とハーフアップの少女。
「おはよ。由良、朝練は?」
「今日はなし!」
「おっはー桜!」
「またコンクール優勝だって?おめでと」
「うん。ありがとう。」