promise
「優羽……そのジャガイモおっきいんだけど……」
一緒に作った方が新婚さんっぽいでしょ?
なんて柔らかく笑いながら言って、台所に立つわたしの隣で優羽が危なっかしく野菜を切っていく。
ゆっくりゆっくりジャガイモを切る優羽の手つきが、なんだか危なっかしくて見てられない……。
鶏肉を炒めていた手を止めて、包丁を握る優羽の隣に歩み寄っていった。
「そう? おっきい方が美味しいと思って…………あっ」
「なに?」
「指……切れた」
……話しかけたりしなきゃ良かったよ。
ヘラッと笑って左手の人差し指から血を滲ませた優羽を、
「笑ってる場合じゃないよ! バカ!」
大慌てでリビングに引っ張りながらわたしは深く後悔していた。