promise

「光来」


「優羽……」


「良かった来てくれて」



背中に感じる気配に呼びかけて振り返れば、ちょっと心配そうな顔した光来が数歩後ろで立ち尽くしていた。



今日も迎えに行かなかったから怒ってるかと思ったけど、むしろ様子がおかしいって心配かけてしまったみたいだ。



片手でさっきまで座っていた椅子をしまい、



「光来が迎えに来てくれるの待ってた」



いつもみたいに笑いながらこう言って、光来の方へとゆっくり歩み寄っていく。



「来なかったらどうするの?」


「光来は絶対来るよ」


「どうして?」



だって光来は俺の彼女だから。



一週間だけの恋人ごっこで光来を縛ってる俺が言うのはなんだか厚かましくて気が引ける。



肝心なことは何も言わない癖に……。






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