シンデレラの魔法は解けない
シンデレラの痛心
あたしはお洒落なカフェの椅子に座り、目の前の二人を見ていた。
嬉しそうに身を寄せ合い、ふふっと笑い合う幸せいっぱいの二人を。
「ねぇ、藍。
ずっと報告しようと思っていたの」
裏のなさそうな無邪気な笑顔であたしを見るのは、親友の麻友。
恋愛相談はもちろん、なんでも包み隠さず話が出来る友達だった。
そんな大好きな藍の幸せそうな姿に、当然あたしも幸せになるのだと思っていたのだが……
「あたしさ、武雄君と結婚するの」
信じられないその言葉に、ただ何も言えなかった。
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