シンデレラの魔法は解けない
そんなあたしをよそに、ヤンキーの平さんは立ち上がって煙草を揉み消した。
そんな彼に、連れは聞く。
「お前、マジで俺らと縁切るのか?」
「な訳ねぇだろ」
ヤンキーの平さんは、半笑いで返した。
「楽なんだよ、お前らといると。
なーんも考えなくていいから」
ヤンキーの平さんは軽い口調で言うが、あたしの胸はズキズキと痛む。
彼は仕事に恋愛に、たくさん悩んでいるんだ。
一人で抱えているんだ。
彼はあたしのことを好きではないかもしれないけど……
あたしは、彼の逃げ場になりたい。
それが例え、身体だけという関係であっても。